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愛犬の乾燥肌が気になる飼い主さまへ|獣医師が教える原因と対策

愛犬の乾燥肌に悩む飼い主さまは多くいらっしゃいます。かゆみやフケ、皮膚の赤みなど、見た目で異常が分かるため、飼い主さまとしてはとても気になりますよね。しかし、適切なケアを行えば、これらの症状は改善が期待できます。

今回は、犬の乾燥肌の原因や対策を詳しく解説し、飼い主さまが安心して愛犬のケアに取り組めるようにサポートします。

■目次
1.犬の乾燥肌とは?症状と見分け方
2.乾燥肌が起こる主な原因
3.ご家庭でできる乾燥肌対策
4.動物病院への相談が必要なケース
5.まとめ

犬の乾燥肌とは?症状と見分け方


犬の乾燥肌は、皮膚が乾燥し、かゆみやフケ、皮膚の赤みが生じる状態を指します。具体的な症状としては以下のようなものがあります。

かゆみ:頻繁に体を掻いたり、顔を物に擦り付けたりします。
フケ:被毛をかき分けると白い粉状のものや薄い皮が剥がれ落ちます。
皮膚の赤み:耳や腹部など、毛の薄い部分に赤みが現れることがあります。

これらの症状は、アレルギーや他の皮膚疾患と似ている場合もあり、見分けが難しいことがあります。アレルギーの場合は、特定の食べ物や環境要因が原因となることが多く、乾燥肌とは異なる治療が必要です。乾燥肌かどうかを判断するためには、獣医師による診断が重要です。

乾燥肌が起こる主な原因


犬の乾燥肌には、さまざまな原因が考えられます。

室内の湿度低下:特に冬場は暖房によって室内が乾燥しやすくなります。
シャンプーの頻度:過度なシャンプーは皮膚の油分を奪い、乾燥を引き起こします。
栄養バランスの乱れ:食事の栄養バランスが崩れると、皮膚の健康が損なわれます。
年齢:高齢になると皮膚の保湿力が低下し、乾燥しやすくなります。

これらの原因を放置すると、乾燥肌が悪化し、感染症や慢性的な皮膚トラブルを引き起こすこともあるため、早めの対策が必要です。

ご家庭でできる乾燥肌対策


ご家庭で行える乾燥肌対策には、次のような方法があります。

<保湿ケア>

犬用の保湿剤(クリームやスプレー)を使用し、皮膚の乾燥を防ぎましょう。特にシャンプー後や乾燥が気になる部位に塗布することで、皮膚のバリア機能をサポートできます。保湿剤は皮膚の状態に合わせて選び、獣医師のアドバイスを受けるとより効果的です。適切な製品を選ぶことで、敏感肌の犬にも安心して使用できます。

<室内環境の調整>

加湿器を使用して、室内の湿度を50~60%程度に保つことが重要です。乾燥しやすい冬場やエアコンを使用する季節には特に注意が必要です。また、湿度だけでなく、部屋の温度にも気を配りましょう。

<食事の見直し>

オメガ3脂肪酸やビタミンEなどの抗酸化物質を含む栄養素が豊富なフードを与えることで、皮膚の健康を内側からサポートできます。栄養バランスを整えることは乾燥肌の改善だけでなく、免疫力の向上にもつながります。愛犬の年齢や体質に応じたフード選びに加え、サプリメントを取り入れる際は、獣医師に相談することをおすすめします。

動物病院への相談が必要なケース


ご家庭でのケアを続けても症状が改善しない場合や、次のような症状がみられる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

・症状が改善しない、または悪化している
家庭での保湿や食事管理を行っても、症状が長引いたり、悪化している場合は注意が必要です。特に、かゆみやフケが増えたり、新たな症状が現れた場合にはすぐに診察を受けることをおすすめします。

・皮膚がただれている、強いかゆみを訴える
愛犬が頻繁に掻きむしり、皮膚がただれている場合は、感染症や重度の皮膚炎を引き起こしている疑いがあります。かゆみを放置すると、さらに状態が悪化し、治療が長期化することもあります。

・異臭や膿がみられる
皮膚から異臭がしたり、膿が確認される場合は、細菌や真菌による感染症のサインです。この状態では、家庭でのケアだけでは対応できないため、専門的な治療が必要です。

これらの症状を放置すると、感染が広がったり慢性化するリスクがあります。動物病院では、皮膚の状態を詳しく診察し、血液検査や培養検査などを通じて原因を特定します。その結果に基づき、適切な治療法を選択し、症状の早期改善を目指します。異常を感じたら早めに獣医師にご相談ください。

まとめ


愛犬の乾燥肌は、ご家庭での適切なケアと予防で改善が期待できます。保湿ケアや食事の見直し、室内環境の調整を日常的に行いましょう。また、症状が改善しない場合や悪化する場合には、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。
当院では、愛犬の皮膚に関するお悩みにも丁寧に対応しております。日々のケアで気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。愛犬が健康で快適な毎日を送れるように、全力でサポートさせていただきます。

 

◼犬の皮膚疾患についてはこちらの記事もご覧ください
皮膚炎① ~細菌性皮膚炎(膿皮症)かゆみを伴わない症例~
皮膚炎② ~マラセチア性皮膚炎 強いかゆみを伴う皮膚炎~
皮膚炎③ ~マラセチア性皮膚炎 皮膚炎がなくかゆみしかない症例~

愛知県みよし市にある犬と猫の病院「Ken doc.」
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