愛犬の異変に気づける!毎日の健康チェックと救急時の基礎知識
愛犬は、家族の一員としてかけがえのない存在です。その愛犬が健康で長く幸せに暮らせるようにするためには、日頃からの健康管理が欠かせません。「最近元気がないけど、大丈夫かな?」と不安になることはありませんか。そんなとき、普段から愛犬の健康状態を把握しておくことで、小さな異変にも早く気づき、緊急時には的確に対応することができます。
特に初心者の飼い主さまにとっては、何をどのようにチェックすればよいのか迷うことも多いでしょう。そこで今回は、毎日できる健康チェックの方法や、緊急時に役立つ基礎知識について解説します。
■目次
1.毎日できる!愛犬の基本的な健康チェック方法
2.要注意!異常のサインと確認ポイント
3.緊急で病院へ行くべき症状
4.犬種による健康管理の違いと注意点
5.犬種による健康管理の違いと注意点
6.動物病院を受診する際の準備と心構え
7.まとめ~日頃からの備えが愛犬を守ります~
毎日できる!愛犬の基本的な健康チェック方法
日々の健康チェックは、愛犬の健康状態を知るための大切な習慣です。以下のように体の各部位に注目して観察してみましょう。
・目
目が澄んでいて、充血や涙が多くないか確認します。目やにが増えている場合は感染症やアレルギーの可能性があります。また、目が濁っている場合は白内障や角膜の異常の可能性もあります。
◼目の病気について下記記事もご覧ください
虹彩リンパ腫について①
虹彩リンパ腫について②
・耳
耳の中が清潔で、異臭や赤みがないかを確認します。耳垢が多かったり、耳を頻繁に掻いたり頭を振る動作が見られる場合は、耳の炎症や感染を疑いましょう。
・鼻
鼻が適度に湿っているか、乾燥してひび割れていないかを見ます。鼻水が多い場合は風邪やアレルギーの兆候かもしれません。
・口
歯茎の色が健康的なピンク色か、口臭がしないか確認します。口臭や歯茎の腫れ、出血は歯周病のサインです。また、舌の色も健康状態を知る重要な指標です。ピンク色が正常ですが、青白い場合は循環器系の問題が考えられます。
◼口腔内の病気について下記記事もご覧ください
歯周病について
・皮膚
皮膚が清潔で、かゆみや赤み、湿疹がないか確認します。フケや脱毛が多い場合、アレルギーや皮膚病の可能性があります。
◼皮膚の病気について下記記事もご覧ください
細菌性皮膚炎(膿皮症)について
マラセチア性皮膚炎について①
マラセチア性皮膚炎について②
犬の脱毛について
普段の様子(食欲、排泄、活動量など)と比較することも重要です。いつもと違う行動が見られたら、小さなサインでも見逃さないようにしましょう。また、チェックの際は愛犬がリラックスしているタイミングを選び、優しく触れてあげることがポイントです。
要注意!異常のサインと確認ポイント
愛犬に異変を感じたとき、体温や呼吸、心拍数などのバイタルサインを確認することが大切です。以下は一般的な正常値です。
・体温:37.5℃~39℃
高すぎる場合は感染症や熱中症、低すぎる場合は低体温症の可能性があります。動物病院ではお尻の穴から直腸温を測りますが、ご自宅では難しいかもしれません。非接触式の体温計などがあれば、耳の中などを測定して参考にしましょう。
・呼吸数:10~30回/分
呼吸が速すぎる場合は、ストレスや病気のサインかもしれません。ただし興奮しているときや運動後はパンティングと言って、一時的に口を開けた頻回の呼吸をすることがあります。
・心拍数:60~140回/分(犬種やサイズによる)
胸に耳や手を当てて心拍数を測ってみましょう。犬が落ち着いて安静にしているときに測定しましょう。
緊急で病院へ行くべき症状
次のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
・持続する嘔吐や下痢
・呼吸困難(舌が紫色、呼吸数が多い)
・ぐったりして動かない
・水を飲まない
・急激な体重減少
・歩き方がおかしい、ふらつく
一方で、一時的な軽い症状(軽い下痢や短時間の食欲不振)は様子を見ることも可能ですが、長引く場合は受診を検討しましょう
犬種による健康管理の違いと注意点
犬種によって健康管理のポイントは異なります。それぞれの特徴を理解し、適切なケアを行いましょう。
〈大型犬〉
関節や骨の疾患(股関節形成不全など)に注意が必要です。適度な運動と体重管理が健康維持の鍵となります。
〈小型犬〉
歯のトラブルが多く、定期的な歯磨きや歯科検診が必要です。また、寒さに弱いため、冬場の防寒対策も大切です。なお、犬種によっては心臓病になりやすいため、定期検診で心雑音がないかを確認しましょう。
〈短頭種(フレンチブルドッグなど)〉
呼吸器の問題が多いため、暑さ対策が必要です。特に夏場は熱中症に注意し、散歩は早朝や夕方以降に行い、涼しい環境を整えましょう。
いざという時の応急処置と対応方法
愛犬が異変を示した際、飼い主さまが行える応急処置を知っておくと安心です。
・出血
出血が見られる場合は、清潔なガーゼや布で圧迫して止血します。出血が止まらない場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
・熱中症
愛犬が熱中症の兆候(ぐったりする、息が荒い)を示した場合は、涼しい場所に移動させ、冷たい水を与えます。体を冷やすために濡れタオルで包むのも効果的です。
・誤飲
有害なものを飲み込んだ場合は、無理に吐かせず、すぐに動物病院に連絡してください。
応急処置を行う際は、愛犬を落ち着かせ、過剰に揺さぶったり自己判断で薬を与えたりしないよう注意しましょう。
〈家庭で用意しておくべき救急用品〉
・ガーゼ、包帯
・消毒液(動物用)
・体温計
・飼い主さまの連絡先や動物病院の番号
応急処置は一時的なものであり、必ず早急に病院を受診してください。
動物病院を受診する際の準備と心構え
かかりつけの動物病院を持つことは、愛犬の健康を守るために非常に重要です。日頃から救急時の連絡先を確認し、近所の夜間診療を行っている病院も調べておきましょう。
受診時に備えておくと役立つ準備物を以下にまとめます。
・健康手帳や診察券
・ペット保険証(加入している場合)
・症状の経過や観察内容を記録したメモ
・嘔吐物や便など、診断に役立つもの(可能な範囲で保存して持参)
診察時には、いつから症状が始まったのか、症状の頻度や状況を詳しく伝えることが重要です。また、症状を動画で記録しておくと、診断の助けになります。
まとめ~日頃からの備えが愛犬を守ります~
愛犬の健康を守るためには、日々の観察と定期的な健康診断が不可欠です。小さな異変でも早めに気づき、適切な対応をすることで、深刻な病気を防ぐことができます。この記事の内容を参考に、愛犬の健康管理を徹底し、愛犬との楽しい生活を続けていきましょう。些細な変化でも気になる場合は、早めに動物病院に相談することをおすすめします。
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