犬の脱毛①|諦めるのはまだ早い!!!~犬の発毛休止による脱毛症の治療~
さまざまな原因で起こる脱毛症。
殆どの方は色々な治療やシャンプー、サプリメントを試したけど変わらなかったというお悩みを抱えている飼主様は少なくないと思います。
しっかりと診察や検査を受けることで治ることは決して少なくありません。
今回は脱毛①として難治とされる犬の発毛休止による脱毛症の治療についてお話したいと思います。
発毛休止とは、かゆみや感染症を伴わず、毛周期(もうしゅうき/毛が生えたり抜けたりするサイクルのこと)が止まってしまったり、発毛を抑制するようなホルモンの病気等によって起こります。
代表的な病気として、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、ポメラニアンやトイプードルに多いアロペシアX等もそれに当たります。
今回の症例はホルモン異常を伴わない脱毛症の症例です。
以下の画像の上は正常、下は発毛休止状態にある毛根の顕微鏡写真の比較です。
一目で分かるように正常に比べて、毛根が極めて細く、抜けやすい状態になっているのが分かります。
今回の症例の治療前の外観写真と毛根の顕微鏡写真です。
毛根の構造が殆ど分からないくらいになっています。
この被毛検査以外にも血液検査やホルモン検査を行いましたが異常は認められませんでした。
治療を開始して1年後程でこんなにフサフサに!!!
時間はかかりましたが、治療は内服薬だけです。
脱毛症の程度によってはもっと早く治るケースは少なくありません。
この子も飼主様もよく頑張った結果です。
「諦めるのはまだ早い!!!」とお伝えしたい症例のご報告でした。
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