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お散歩中のトラブル~誤食に注意~

今回は、お散歩中のわんちゃんが道に転がっている石を誤食した結果、内視鏡をすることになってしまった症例を紹介します。

今回のわんちゃんは生後5か月の子犬のわんちゃんで、散歩中によく小石を食べているとのことで、今回も大きめのものをいくつか食べており、3日前から何回かに分けて吐き出していたとのことでした。

石であればレントゲンに写るため、さっそく検査を実施ました。

胃の中と腸管にそれぞれ石らしき構造物を認めました。

腸に流れてしまっているものは恐らく便で出てくると思われますが、胃の中の石は腸内へ入ると腸閉塞のリスクがあると判断しました。

飼い主様には催吐処置を提案し承諾が得られたので実施しましたが、残念ながら嘔吐はしたものの、石は吐き出しませんでした。
このまま様子を見るにはリスクがあると判断して、内視鏡による石の摘出を提案しました。

食道から胃の入り口にかけては赤くなっているなどの異常は見られませんでした。

胃の中は炎症などの大きな問題はなかったですが、やはり石がありました。

摘出されたのは予想通り2cm程度の石でした。
胃の中に数日留まっていたために大事に至りませんでしたが、もし胃から排出されて腸の中に入り込んでしまうと内視鏡では取り出せない可能性が高いです。

飼い主様は当初そのうち吐くだろうと思っておりここまで大事になるとは思っていなかったそうです。

お散歩でいろんなものを加えたり食べようとするわんちゃんがいますが、今回の様にレントゲンに写るものなら判断は比較的容易ですが、レントゲンに写らないもの、夜の散歩であれば何を口に入れたかわからない場合は我々獣医師でも判断に困ることが多いです。

不必要な処置をしなくてもいいよう日頃からお散歩時にはわんちゃんが拾い食いをしないよう注意してお散歩してあげて下さい。

もし、何か食べてしまった場合はすぐに診察を受けられることをお勧めします。

投稿者プロフィール

杉山 寛幸
杉山 寛幸獣医師
獣医総合臨床医、指導獣医師

○診療科目
眼科、循環器内科、画像診断担当