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痛くてご飯が食べられない。。~歯周病が原因の口腔粘膜炎~

急に口を痛がりご飯を食べなくなってきたことを主訴に来院されたワンちゃんのお話です。

口を痛がるというとまず第一に歯周病を疑い、歯の動揺(ぐらつき)や歯槽膿漏まで進行しているのではないかと診察を進めるのですが、このワンちゃんは、歯の動揺はないけど、歯石に付着している口唇粘膜(唇の裏側)が潰瘍化(ただれている)しており、重度の痛みを起こしてしまっていました。

口を閉じた時、丸で囲った部分が右上顎犬歯根元の歯石付着部に当たり潰瘍化しています。(かなり痛そう・・・)

歯石を除去し、粗くなった歯の表面を磨いて滑らかにして処置を終えました。

炎症止めの治療をして1ヶ月後

まだ治らない。。

薬を服用している間は、多少痛みが少ないとのことでしたが、やめると次第に以前の痛みが出てくるとのこと。

どうやら犬歯自体が潰瘍の原因になっていると考え、後日犬歯抜歯を行いました。

抜歯後2週間目。

きれいに潰瘍も改善し、痛みからも解放されてくれました。

口唇粘膜炎は歯石除去で良くなることが多いのですが、潰瘍化までしてしまうと歯が当たることが痛みの原因となってしまい、抜歯が必要になってしまうケースがあります。

このような状況にならないように、毎日の歯磨きで歯石を溜めない様にしていきましょう。また、口の中の赤みがある場合には早めの受診をお願いします。

投稿者プロフィール

鈴木 章大
鈴木 章大副院長
獣医総合臨床医、指導獣医師

○診療科目
内科全般、皮膚科、腫瘍科、歯科、循環器、軟部外科