お知らせ

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皮膚炎③ ~マラセチア性皮膚炎 皮膚炎がなくかゆみしかない症例~

アトピー性皮膚炎を患っているワンちゃんが、いつものかゆみ止め(オクラシチニブ)では治まらないとの事で当院を受診されました。

よく舐めているようで、毛が唾液で茶色に変色し固まっています。

毛をかき分けて地肌を確認してみても、皮膚炎の症状(赤み、ただれ等)があまりありません。

この場合、皮膚炎ではなくて癖で舐めていることを考えてしまいますが、オーナー様のお話からやはりかゆみがあると断定し、皮膚検査を実施しました。

やはり、原因はマラセチア(真菌)の感染でした。

治療としては、いつものかゆみ止めに加えてマラセチアを駆除するために抗真菌薬を飲んでもらいました。

その後、かゆみは無事に治まり治療を終えることができました。

 

今回は、見た目の皮膚炎(赤み、ただれ)がないのに強いかゆみがあるということでしたが、皮膚炎がないからと様子を見てしまうとワンちゃんネコちゃんが

辛いかゆみに耐え続けないといけなくなってしまいます。その後そのまま皮膚炎に進行してしまうことも多いです。

見た目の皮膚炎がなくても、辛そうなかゆみが見られたら病院を受診してください。

投稿者プロフィール

鈴木 章大
鈴木 章大副院長
獣医総合臨床医、指導獣医師

○診療科目
内科全般、皮膚科、腫瘍科、歯科、循環器、軟部外科