飼い主さんが気づかないうちに目が見えなくなっているかも
今回紹介する症例は、飼い主様が気付かぬうちに目が見えなくなった症例です。
3、4日前から食欲と元気がなくなってきたとの主訴で来院されました。
消化器症状など目立った症状は認められませんでした。
一般身体検査で、威嚇瞬き反応(ものが見えているか)、対光反射・眩惑反射(光を感知しているか)がほぼ消失していました。
このことから視覚障害がある可能性を考え、眼底検査を実施したところやはり異常が認められました。
今回のわんちゃんの左右の目と別の正常眼のわんちゃんの目を示したものです。
正常のわんちゃんの眼底に比べて視神経から出ている血管が明らかに細くわかりにくくなっています。
また、視神経乳頭そのものもやや白く透けている印象をうけます。
他の部位も血管はほとんど認められず、一部では網膜の菲薄化を疑う反射亢進を認めました。
今回は進行性網膜萎縮(PRA)と診断しました。
進行性網膜萎縮(PRA)はミニチュア・ダックスフントが好発犬種としてよく知られていますが、トイ・プードルも好発犬種になります。
進行性網膜萎縮は、まず暗い環境下で視覚障害が出る(夜盲)ことが一般的です。
そのため、突然暗い環境での様子がおかしい、お散歩に行きたがらないなどの症状が出てきた時には一度眼科検査をされてみることをお勧めします。
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