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紫外線が犬の目に影響を与える?!犬の白内障・緑内障・ぶどう膜炎を見分けるポイントと予防法

犬の目の病気には、白内障・緑内障・ぶどう膜炎といった深刻な疾患があります。特に紫外線が強い季節は、目にダメージが蓄積しやすく、これらの病気が悪化するリスクが高まります。

いずれの病気も、視力低下や失明につながるリスクがあり、生活の質を大きく左右することがあります。しかし、初期段階では症状がわかりにくく、飼い主さまが見逃してしまうケースも少なくありません。

今回は、犬の目に起こる代表的な病気の違いと、早期発見・予防のためにできることを詳しく解説します。

■目次
1.犬の目に起こる主な病気|白内障・緑内障・ぶどう膜炎とは?
2.進行を防ぐための早期診断と治療
3.紫外線と目の病気の関係|予防のためにできること
4.まとめ

犬の目に起こる主な病気|白内障・緑内障・ぶどう膜炎とは?


まずは、代表的な目の病気である白内障緑内障ぶどう膜炎について、それぞれの特徴や症状をご紹介します。

<白内障>

水晶体が白く濁り、徐々に視力が低下する病気です。加齢が主な原因ですが、糖尿病や外傷がきっかけになることもあります。

▼症状・見た目の特徴
初期は目が少し白く見える程度で、歩行や動きにも変化が出にくく見逃されがちです。進行すると目全体が白くなり、物にぶつかる・歩行がふらつくなどの変化がみられます。

▼犬種特性
トイ・プードルやミニチュア・シュナウザーなど、小型犬での若年性白内障も報告されています。

<緑内障>

眼圧が異常に上昇して視神経が圧迫され、最悪の場合は失明に至る病気です。急性タイプでは数時間~数日で視力を失うこともあります。

▼症状・見た目の特徴
目の充血、瞳孔の開き、眼球の軽い突出などがみられます。痛みは目立たないこともあり、白内障や結膜炎と見分けにくい場合があります。

▼犬種特性
チワワや柴犬などが好発犬種とされ、日常の観察と早期受診が大切です。

<ぶどう膜炎>

目の中の「ぶどう膜」に炎症が起こる病気です。原因は外傷、感染症、免疫異常などさまざまです。

▼症状・見た目の特徴
まぶしがる、涙が多い、目をしょぼしょぼさせる、目の中が赤く見えるなど。進行すると白内障や緑内障と症状が重なり、見分けが難しくなります。

▼犬種特性
ゴールデン・レトリーバーやシベリアン・ハスキーなどに多くみられます。

これらの目の病気は、どれも進行すると視力を失うおそれがありますが、治療法や対応は病気ごとに異なります。まずは正しく理解しておくことが、愛犬の目を守る第一歩です。

進行を防ぐための早期診断と治療


目の病気は、初期の変化が小さく、気づいたときには進行していることも少なくありません。愛犬の視力を守るためには、日常のちょっとした変化に気づき、早めに動物病院で診てもらうことが何よりも大切です。

<診断・検査方法>

目の異常は見た目だけでは判断が難しい場合があります。動物病院では、次のような検査を組み合わせて診断します。

眼圧測定:眼球の圧力を測り、緑内障の有無を確認します。
眼底検査:網膜や視神経の状態を確認し、炎症や損傷を調べます。
細隙灯検査(スリットランプ):光を当てて角膜や水晶体を観察し、濁りや異常を確認します。

さらに、視覚の反応を確認する簡易検査もあわせて行うことで、病気の早期発見につながります。

<治療方法>

治療は、症状の進行具合や原因によって内容が変わります。どの病気も、早めに治療を始めることで愛犬の視力や生活の快適さを守ることにつながります。

・白内障
軽度であれば点眼薬で進行を遅らせます。進行している場合は、水晶体手術による視力回復が検討されます。

・緑内障
点眼薬や内服薬で眼圧を下げることから始めます。改善が難しい場合は、視力の維持を目的とした手術を行うこともあります。

・ぶどう膜炎
原因に応じて抗炎症薬・抗菌薬・免疫抑制剤などで炎症を抑えます。放置すると白内障や緑内障を併発するおそれがあるため、早期治療がとても重要です。

当院では、検査結果をもとに、症状や生活環境に合わせた最適な治療プランをご提案しています。気になる変化があれば、どうぞ安心してご相談ください。

紫外線と目の病気の関係|予防のためにできること


よく晴れた日に愛犬と外に出るのは気持ちの良い時間ですが、実は紫外線は犬の目にとって大きな負担になることがあります。白内障やぶどう膜炎など、見た目では気づきにくい目の病気のリスクを高めることもあるため、日常のちょっとした工夫で目を守ることが大切です。

<紫外線の影響とは?>

紫外線は、目にとって有害な刺激のひとつです。
長時間浴び続けることで、水晶体のたんぱく質が変性しやすくなり、白内障のリスクが高まります。さらに、角膜や網膜に微細な損傷を与え、慢性的な炎症(ぶどう膜炎)を引き起こす原因となることもあります。
特に日差しの強い季節には、愛犬の目にとって大きな負担となるため注意が必要です。

<予防のポイント>

今日から取り入れられる具体的な予防方法をご紹介します。

・散歩は朝や夕方に
日差しが強い時間帯は紫外線の量も多く、目への負担が大きくなります。夏場はできるだけ早朝や夕方の涼しい時間帯に散歩をすることで、紫外線だけでなく熱中症対策にもつながります。

・犬用サンバイザーやUVカットゴーグルの活用
外出時に犬用のサンバイザーやUVカットゴーグルを使うと、直射日光から目を守ることができます。初めての場合は、短時間の装着から慣れさせると嫌がりにくくなります。

・木陰や日陰をうまく利用
公園や散歩道では、木陰や建物の影を選んで歩くと紫外線の影響を軽減できます。真夏は屋外での長時間滞在を避け、涼しい屋内で遊ぶ時間を増やすのもおすすめです。

・目の観察を習慣に
散歩や遊びのあとに、目やにが増えていないか、目をこすっていないか、光をまぶしがっていないかをチェックしましょう。小さな変化でも早めに気づくことが、重症化の予防につながります。

・定期健診・眼科検診で早期発見
白内障や緑内障、ぶどう膜炎は初期症状がわかりにくい病気です。年に1〜2回の健診や眼科検診で、目の状態を記録しながら変化を見逃さないことが、失明リスクを下げる大切な習慣となります。

無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。

まとめ


犬の白内障・緑内障・ぶどう膜炎は、いずれも進行性で、放置すると視力を失うおそれのある病気です。特に紫外線が強い季節は目への負担が増えるため、日常の観察と予防が欠かせません。

目のトラブルは初期症状がわかりにくく、つい様子をみてしまいがちですが「なんとなく目を気にしている」「光をまぶしがる」といった小さな変化を見逃さず、気になるときは早めの受診が安心です。

◼犬の眼科疾患についてはこちらの記事もご覧ください

 

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