目の中にできものが・・・虹彩リンパ腫(診断)
今回は左眼の充血を主訴に来院したねこちゃんの症例を紹介します。
このねこちゃんはかかりつけの動物病院さんで炎症を引かせる点眼薬で治療していましたが、症状が更に悪化してきたとのことで来院されました。
パッと見ても左眼の様子がおかしいことが分かります。
右眼は特に問題のない目、左眼は黒目の前に血管を含む白い構造物を認めます。
スリットランプで確認すると、白色の構造物は角膜と水晶体の間である前眼部に存在していることが確認できました。
さらに眼圧を測定すると右目だけが著しい眼圧上昇を示していました。
このことから、目の中にある構造物は内側から角膜を圧迫している可能性が考えられました。
そこで、眼窩を含めた眼球内がどのようか状態になっているかを確認するため、超音波検査を行いました。
目の超音波を確認してみるとやはり水晶体と角膜の間の前房内に高エコーの構造物が認められました(右側の写真赤丸部分)。
一般的に、皮膚にできた腫瘤は簡易的な検査として針生検を実施して良性なのか悪性なのか大まかなあたりをつけた後、必要に応じて切除生検を実施していくことが多いです。
しかしながら、目の中の腫瘤はこの針生検を実施することが困難なケースがほとんどなので良性・悪性の判断はほぼ不可能です。
また、眼球内の半分以上を占めていること、点眼治療に反応が認められないという状況でした。
そのため、飼い主様には検査と治療を兼ねた眼球摘出の手術をお勧めさせていただき、同意を得られたので実際に眼球摘出術を実施しました。
治療については次回紹介します。
https://kendoc.jp/?p=377
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