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皮膚炎① ~細菌性皮膚炎(膿皮症)かゆみを伴わない症例~

以前から皮膚炎に悩まされているワンちゃんが、今回かゆみがあまりないけど背中がボコボコになってきたとのことで当院を受診されました。

 

 

背中全体がボコボコになり、毛も抜けてしまっています。(脱毛)

でもいつもと違ってあまりかゆくないそうです。

 

この子は体質としてアレルギー性皮膚炎もしくはアトピー性皮膚炎を患っており治療中なのですが、定期的に皮膚炎が酷くなってしまいます。

この状態は表皮小環と呼ばれ細菌や真菌の二次感染を起こしていることが多いため、皮膚検査を実施しました。

 

 

薄紫に染まっている大きなかたまりが、この子の脱落した皮膚の細胞(いわゆるふけ)でその中に濃い紫で染まっている小さなつぶつぶが細菌(球菌)です。

 

検査をしてみて今回の皮膚炎は細菌感染が原因であることが分かり、治療を開始しました。

治療は

  • 薬用シャンプ―療法
  • 抗生剤投与(感染が強い場合)

でやっていくことにしました。

 

2週間後の様子です。

 

 

皮膚のボコボコもきれいになくなっています。

 

細菌性皮膚炎(膿皮症)の場合、かゆいことが多いのですが、今回の様にかゆみがないパターンもあります。かゆみがないので様子をみてしまうと、おそらく細菌感染が悪化して皮膚の表面がジュクジュクの膿になってしまうので、見た目だけでも皮膚がおかしいと思われた時はすぐに受診して頂ければと思います。

 

 

 

投稿者プロフィール

鈴木 章大
鈴木 章大副院長
獣医総合臨床医、指導獣医師

○診療科目
内科全般、皮膚科、腫瘍科、歯科、循環器、軟部外科