ブログ

#

耳の膿が止まらない ~化膿性中耳炎~

耳の膿が止まらなかったワンちゃんのお話です。

定期的に外耳炎を繰り返していた子が、突然両耳の化膿(耳垂れ)を主訴に来院されました。

夜も寝られないぐらい耳のかゆみが強いみたいで、とても辛そうです。両耳とも膿が出てきている状態でした。

 

耳の洗浄とともに、耳垢(膿)を染色検査してみました。

細菌が多く認められ、白血球に貪食(食べられている)ところもあります。

ただ、白血球による貪食が追いついてなく、バイオフィルム(細菌のシェルターみたいなもの)を形成しています。

週1~2回の洗浄と抗菌薬投与による治療を開始しました。

 

1ヶ月後

耳の化膿は多少改善したものの治まりきらず、昼夜関係なく耳を振っている状態がつづいています。

耳垢(膿)の染色をしてみると

相変わらず細菌は多く認めらているにもかかわらず、白血球の数が少なくなっていました。バイオフィルムも形成されています。

このままでは耳の化膿とこの子の辛さを取り除くことができないと考え、麻酔下で耳のビデオオトスコープ検査を実施することにしました。

オトスコープで耳の奥を覗いてみると

中に毛の塊(?)が詰まっていました。

オトスコープ専用の鉗子で少しずつ摘出していき

きれいになりました。

耳道の奥の壁に白く付着しているものが、鼓膜の残りです。鼓膜はすでに破れてしまい中耳に通じている状態でした。

中耳に入れても問題ない洗浄液で丁寧に洗浄し、麻酔下の治療を終えました。

 

自宅での洗浄・抗菌薬治療を続けてもらい、1ヶ月後の状態です。

多少の耳垢と毛が生えてきているものの、耳道を占拠するものはありません。

術後耳の違和感もほとんどなくなり、夜も良く寝れるようになったとのことです。

 

今回の耳の化膿は、抜け毛が詰まり耳道が占拠され、耳の自浄作用が滞ることで起きたことでした。

ビデオオトスコープでみることによって異物や腫瘍の存在・鼓膜の状態が把握でき、耳道内の様々な治療が可能になりました。

外耳炎がなかなか治らない・化膿してしまっているということがありましたら、ご相談してください。

投稿者プロフィール

鈴木 章大
鈴木 章大副院長
獣医総合臨床医、指導獣医師

○診療科目
内科全般、皮膚科、腫瘍科、歯科、循環器、軟部外科