シニア犬に多い病気について|口臭が強くなる、歯が抜けるなどの症状がみられたら
人も高齢になると体の不調が増え始めるように、犬もシニア期に入るとさまざまな病気にかかります。犬のシニア期は犬種や大きさによって異なりますが、小型犬の寿命が13~15歳、大型犬の寿命が10~12歳ということを考慮すると、おおまかに小型犬では10歳、大型犬では8歳からシニアと見なすことができます。
今回はシニア犬で多い病気について、特に歯や口臭に関わるものをピックアップしてご紹介します。
■目次
1.口臭が強くなる、歯肉が赤く腫れる、歯が抜けるなどの症状がみられる場合に疑われる病気
2.シニア犬によくみられる歯の病気
3.まとめ
口臭が強くなる、歯肉が赤く腫れる、歯が抜けるなどの症状がみられる場合に疑われる病気
シニアになるとよくみられるのが、口臭が強くなる、歯肉が赤く腫れる、歯が抜けるといった症状です。これらの様子がみられる場合は、以下の病気が疑われます。
<歯の病気>
・歯周病
・口腔鼻腔瘻
<口の中の腫瘍>
・悪性黒色腫(メラノーマ)
・扁平上皮癌
<消化器の病気>
・胃炎
・腸炎
・肝炎
・慢性腎臓病
・心臓弁膜症
シニア犬によくみられる歯の病気
シニア犬で上記のような症状がみられる場合、特に多い病気が「歯周病」です。
歯周病には以下の特徴があります。
〇3歳以上の犬では80%ほどが歯周病にかかっているともいわれている。
〇歯のくぼみや歯周ポケットに歯垢(プラーク)がたまることがきっかけとなって発症する。
〇歯垢は数日のうちに歯石となって、なかなか取れなくなる。
〇初期には以下のような症状が現れる。
・歯肉の腫れ
・口臭
〇進行すると以下のような症状が現れる。
・歯が抜け落ちる
・顎の骨が折れる
・鼻と口が繋がる瘻管が形成されてしまう
〇重度の歯周病になると抜歯や口腔外科を検討する。
〇こまめなデンタルケアや定期的なスケーリングによって予防できる。
歯周病は比較的若い犬でも発症することがあります。また、デンタルケアに慣れさせるためにも、子犬のころから歯磨きを行い、定期的に動物病院で歯の状態をチェックしてもらいましょう。
◼️シニア犬に多い病気について下記記事もご覧ください
咳などの症状がみられたら
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まとめ
シニア犬に口臭などの症状がみられる場合、その多くは歯周病です。歯が抜け落ちたり口の中が痛くなると、ご飯が思うように食べられなくなってしまいます。そのため、若いころから歯磨きをしっかり行い、予防に努めることが大切です。また、口臭や歯肉の腫れの原因が口の中の腫瘍の可能性もあるので、気になる症状があれば早めに動物病院を受診しましょう。また、シニア犬では出来れば人の1年に当たる2〜3ヶ月毎の定期診察を推奨します。
愛知県みよし市にある犬と猫の病院「Ken doc.」
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<参考文献>
Stages of Pet Periodontal Disease – Pet Dental Health – AVDC
A review of the frequency and impact of periodontal disease in dogs – Wallis – 2020 – Journal of Small Animal Practice – Wiley Online Library
投稿者プロフィール
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