犬にも花粉症はある?皮膚のかゆみや赤みに注意したい症状と季節別の対策
「犬にも人と同じように花粉症ってあるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
実は、犬も花粉に反応してアレルギー症状を起こすことがあります。犬のアトピー性皮膚炎では、花粉をはじめとする環境中の物質が症状に関係することが知られています。
ただし、人の花粉症とは症状の表れ方が少し異なります。人ではくしゃみや鼻水がよく知られていますが、犬では皮膚のかゆみや赤みとして気づかれることが多いのが特徴です。
今回は、犬の花粉症で見られやすい症状や季節ごとの原因植物、ご家庭でできる対策についてご紹介します。

■目次
1.犬の花粉症は「皮膚症状」に注意
2.こんな症状があったら花粉が関係しているかも
3.花粉によって注意したい季節は異なります
4.ご家庭でできる花粉対策
5.かゆみが続くときは動物病院へ
6.まとめ|毎年同じ時期のかゆみを見逃さないために
犬の花粉症は「皮膚症状」に注意
犬も、スギやヒノキなどの樹木、イネ科やブタクサなどの植物の花粉に反応することがあります。環境中の花粉は、犬のアレルギー性皮膚炎を引き起こす原因のひとつです。
人の花粉症というと「くしゃみ・鼻水・目のかゆみ」をイメージするかもしれませんが、犬では皮膚のバリア機能や免疫反応が関係し、かゆみや皮膚炎として症状が表れやすいと考えられています。
犬のアトピー性皮膚炎では、環境中のアレルゲンが皮膚から侵入することが重要な経路のひとつとされています。そのため「くしゃみをしていないから花粉は関係ない」とは限りません。
こんな症状があったら花粉が関係しているかも
花粉などの環境アレルゲンが関係する皮膚炎では、次のような症状が見られることがあります。
・体をしきりに掻く
・足先を繰り返し舐める
・顔を床や家具にこすりつける
・目や口の周りが赤くなる
・耳の内側や脇、お腹、足先などが赤くなる
・フケや脱毛などの皮膚トラブルが見られる
犬のアトピー性皮膚炎では、特に顔や耳、脇、足先などに症状が出ることがあります。強いかゆみによって舐めたり掻いたりすることで皮膚が傷つき、細菌やマラセチアによる二次的な皮膚炎につながるケースも少なくありません。
また、犬によっては、皮膚症状に加えて、くしゃみや涙、目の充血などが出る場合もあります。
「毎年同じ季節になるとかゆがる」「春になると足先をよく舐める」といった季節性がある場合は、花粉などの環境要因も考えてみましょう。
花粉によって注意したい季節は異なります
花粉は春だけのものではありません。原因となる植物によって、飛散する時期が異なります。
<春|スギ・ヒノキ>
スギやヒノキの花粉は、主に春に飛散します。人の花粉症でもよく知られる時期ですが、犬の皮膚症状にも注意したい季節です。
▼春の花粉アレルギーについてはこちらで詳しく解説しています
<初夏〜夏|イネ科>
カモガヤなどのイネ科植物は、春から初秋にかけて花粉が飛散します。道端や公園など身近な場所にも生えているため、散歩中に草むらへ入る犬では花粉が体に付着しやすくなります。
<夏の終わり〜秋|ブタクサ・ヨモギ>
ブタクサやヨモギなどのキク科植物は、夏の終わりから秋にかけて花粉が多くなります。
花粉の飛散時期には地域差もありますが、「特定の季節になると症状が出る」という情報は、原因を考えるうえで大切な手がかりになります。
ご家庭でできる花粉対策
花粉による症状が疑われる場合は、できるだけ体に付着する花粉を減らし、室内に持ち込まない工夫を取り入れてみましょう。
・散歩から帰ったら花粉を落とす
帰宅後は、ブラッシングで被毛についた花粉を払い、濡れタオルやペット用シートなどで足先や体をやさしく拭きます。洋服を嫌がらない犬であれば、散歩中に着せることで体への花粉の付着を減らす方法もあります。
・室内に花粉を持ち込まない
こまめに掃除を行い、必要に応じて空気清浄機を活用しましょう。花粉が多い時期は洗濯物の外干しを避けることも、室内へ持ち込む花粉を減らす工夫のひとつです。
・皮膚を清潔に保つ
適切なシャンプーや保湿ケアで皮膚を清潔に保ち、皮膚の状態を整えることも大切です。ただし、シャンプーの頻度や種類は皮膚の状態によって異なります。洗いすぎが刺激になることもあるため、かゆみや赤みがある場合は動物病院で相談しましょう。
かゆみが続くときは動物病院へ
犬がかゆがっているからといって、必ずしも花粉が原因とは限りません。ノミやダニ、食物アレルギーのほか、膿皮症やマラセチアによる皮膚炎などでも似た症状が見られます。
▼ノミによるかゆみについてはこちらで詳しく解説しています
▼マラセチア皮膚炎についてはこちらで詳しく解説しています
そのため、まずは皮膚の状態や症状が出る時期などを確認し、ほかの原因がないかを調べることが大切です。アレルギー性皮膚疾患の診断でも、感染症や寄生虫などの原因を順番に確認していくことが推奨されています。
必要に応じて、血液を用いたアレルギー検査などで反応しているアレルゲンを調べることもあります。ただし、アレルギー検査だけで花粉による皮膚炎を診断するものではなく、症状や経過、ほかの病気の除外などを合わせて判断します。
治療では、症状に応じてかゆみを抑えるお薬や、薬用シャンプーなどを使用し、皮膚の状態を整えていきます。かゆみの原因によって適した治療やケアは異なるため、気になる症状が続く場合は、動物病院で原因を確認してもらいましょう。
まとめ|毎年同じ時期のかゆみを見逃さないために
犬の花粉症は、人のようなくしゃみや鼻水ではなく、皮膚のかゆみや赤みとして表れることが多いのが特徴です。
花粉は春だけでなく、初夏から夏、秋にも種類を変えて飛散します。散歩から帰ったら体についた花粉を落とす、室内への持ち込みを減らすなど、季節に合わせた対策を取り入れてみましょう。
一方で、かゆみや赤みの原因は花粉だけではありません。当院では、皮膚科の獣医師とスキンケアアドバイザーが連携し、症状に応じた治療に加えて、その子の皮膚に合ったシャンプーや保湿などの日常ケアについても一緒に考えています。
「毎年この時期になるとかゆがる」「最近よく足先を舐めている」といった変化が気になるときは、お気軽にご相談ください。
▼当院のスキンケア相談体制についてはこちらで詳しくご紹介しています
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